「障害者福祉:作業所の2つの顔」
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私はバックナンバーを溜めているホームページのトップにも 書いたとおり、障害者作業所で福祉のイロハを覚えた者です 。介護事業所に勤めたら、障害者のケースをまとめて渡され ましたし、現場で略歴を訊かれた時に「作業所」の「運営委 員の経験者」というと家族とかが突っ込んだ要求もしないし 、へんに信用されてしまいました。

先ず、作業所というのは利用者が社会生活に参加するために 設置されたものです。(企業並みの採算がとれるのは福祉工 場といわれて別個扱いになります。)でも、各方面からの補 助金を集めても、利用者には給料には程遠い寸志しか出せま せん。でも、閉じこもらずに社会で活動をすることに作業所 の意義があります。イベントを開いては地域の人との交流も その一環です。以上、乱暴だけど、作業所を表の顔で説明し たらこうなります。

作業所のもう一つの一面は「作業所の目標」を成し遂げるこ とです。自分達のグループホームをつくりたい、利潤を上げ て福祉工場にしたい、宿泊できる設備をもった施設を持ちた い、目的は様々です。そのためにバザーや募金活動などをし て「目標に見合う資金作り」を行っています。

ボランティア〜非常勤までの範囲だと、最初にあげた普段の 活動に参加して利用者とのふれあいとか、イベントを行った 達成感を共有するとか純粋に福祉活動の経験を積むことがで きます。しかし、もう片方の分野に足を突っ込むと「金勘定 」の世界。補助金をうける資格の有無とか、行政へ自分達の 活動のアピール、逆に政治家が「福祉にあかるい人というイ メージつくり」にすり寄ってきたりします。前に障害者であ る利用者が友達といって気楽に紹介してる人がとんでもない 人だったりするのはこの辺の絡みです。利用者は目的を果た すならば方法を選ばない、政治家は自分のイメージアップの ためには知識もないのに作業所との関係をもって自分の業績 の一つにしたい、といっきにどす黒い世界になります。

ヘルパー講座から福祉の分野に入った人には刺激は強いです が、裏帳簿はあるし、それをもみ消すのに人を雇ったり招き 入れたり、利用者の家族がもしもの時の為にと関わっていた 宗教団体が随時顔を出したり、職員は地域との縁つなぎに青 年会に足を運んだりと「もう一面の作業所」の実態は素人に はみせられません。なまじ内部告発してもうけた側がそれに 関わっていたりしてやった自分はいいピエロになってしまい ます。私はヘルパー資格をとる前は中学生の段階から2つの 顔をもつ作業所にいたので、お見通しだし、たとえばケアで 不満があるからといって役所に訴える。」といわれてもビク ともしません。首長を呼ぶとか首長室に呼び出すぞと言われ ても私だと「へ〜そういうお付き合いなのね。」と感心する だけです。冒頭で自分の略歴をいうと利用者が障害者である 場合は本人や周囲が一歩ひいたり、脅かしたり無茶な要求を しないのは私にはやっても意味がないからです。また、私が ホームヘルパー講座をうけるまで同じ地域で長く福祉に従事 しなかったのは、この辺との関係をとりたくなかったからで す。

最近は「障害者、利用者の目標」の為に別途、NPO法人を 立ち上げて作業所の現場職員はそれに関与せず、目標のため だけの運営を透明に行うのが主流になってきました。こわい ところをみなくても弁護士さんとか社会労務士さんとかを顧 問に黙々とやってたりするので作業所で、それぞれに働くこ とに専念できます。

最後に作業所で、大事なことをかいておきます。「現在、作 業所で働いても介護福祉士、ケアマネージャーの実務経歴に はカウントされません。」各試験の要項にも認められる職場 (施設)は明記されてますし、作業所でもケアがあったとし てもカウントされませんので、常勤で福祉に従事したい方は その辺を考慮して下さいね。未経験者歓迎なんて募集をかけ る作業所はその辺考慮済みです。

これで、今回の題目は終わります。次回は、年末もおしせま ってきたので、「お金=生活保護」をと思いましたが、それ をかくのに前準備が要るのでそれを「生活援助:買い物」を 題目にします。 。

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