「障害者福祉:昔は」
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障害者のケアに入ると「昔は〜」という科白を必ず耳にしま す。ではその昔はどの辺を指しているのか紐解いていきまし ょう。

一つは「お金で済まされた時代」。高齢者の医療が無料だっ た頃と重なります。障害者はいろんな補助金をいろんなとこ ろから得て、それをケアする人への謝礼にもあてて生計を成 り立てていました。「いろんなところ」とかいたのは、単に 公立の助成金、補助金だけではないからです。政党団体、宗 教団体、企業からの寄付もあれば商店街からの歳末募金もあ りました。それらを元手にケアの人材を手配してたので「障 害者が人材をかかえこんでた時代」ともいいます。 今介護 に入ってて、高齢者の家とは違っていろんな人物が出入りす るなぁと思ったら、出入りする人とはそのときからの縁が続 いている証でもあります。

次に「地方が委託をしてた時代」。障害者なら誰でも顔が広 いわけでもなく補助金の額にも差がありました。また、養護 学校卒業後、親族が外目にふれないようにしてた家もありま した。「うちはうち、よそはよそ」といえど養護学校からの 長い付き合い、とても強い横のパイプから「あの人を見なく なったけどどうしてるの?」みたいな問い合わせが福祉事務 所に通報されます。すると、周りの目におびえながら消息を 絶った障害者の状況を調べにケースワーカーが重い腰を上げ て調査に入ります。大抵は部屋に閉じ込められてて近所には 「地方の施設に入った」とか嘘を親族がいっている実態や、 補助金は障害者につかわれてなく家族が山分けしてたりして いる実態に遭遇します。

見て見ぬフリをすれば問い合わせ元への返事に困るし首長室 に呼び出されるのも目に見えてます。そこで閉じ込められて いた障害者の環境整備に入ります。隠ぺいしてた親族を納得 させるべくスタッフを揃え、居室の掃除に始まり、健康管理 、社会生活の経験といった環境の改善にあたります。そこに 民間の作業所や介護事業所が指名をうけます。ただこれが公 正に選出されたかといえばそうでなく、言い出した人寄りの 団体を使うことになります。それ程養護学校で出来たパイプ は強いのです。 先に書いておきますが現在、障害者のケア にあたっていてずっと平穏無事でいたければ、たとえ障害者 に「友達」っていって紹介された人にもかたちだけの挨拶に 留めておいて下さい。彼らの「友達」には「知事」や「国会 議員」「〜青年会代表」「全国〜の会」も含まれていますか ら次に逢っても挨拶で済むような距離をおかないとえらい目 にあいます。(高い壷は買わされないと思いますが。)

そして、障害者自立支援法施行の今にあたります。とはいえ 、前2つの時代の影響は依然強く残っています。例えば、病 院に行くのに有料ボランティアさんを大学のサークル単位で 担当してるとか、「お茶のみ友達がきてるけど勘弁してね」 といわれたから黙々とケアしてると帰り際に「今日はお疲れ 様です。」といいながら集会のチラシを渡されたり、署名を 求められたりすることがあります。そういう場合、どうすれ ばいいか。大抵は「次のケアが入っているのでゴメンナサイ 」とあたふたとその場を去るのが無難です。このコーナーで くどい程かいていますが「貴方は貴方のケアに徹して下さい 。」貴方は事業所の指示でケアを行ったわけです。「急いで ますので何でしたらうちの所長の●×を通していただけま せんと、私も困ってしまいます。」と責任をふっても全然悪 いことではないですから、雇用契約をとびでないでケアを行 えるように心おいて下さい。

これで、今回の題目は終わります。私がいく事業所がかわれ ど、業務に障害者福祉がくっついてきたのは上記の経緯がわ かっていて、かつてとある障害者作業所の運営委員までやっ てたからです。家庭訪問とかしてて第三者や親族が私の経緯 を訊ねたときに「障害者作業所」「運営委員」この2つの言 葉が出ると自分らを理解してくれると思うと同時に下手にヘ ルパーさんには話しができないと思います。酸いも甘いも知 ってる人の部下に対して小細工は出来ませんからね。

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