「障害者福祉:赤字」
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障害者サイド政党サイドともに、障害者自立支援法(以下、 自立支援法と書いていきます。)の見直し及び撤廃を訴えて います。2つに共通している理由は「事業所がケアを引き受 けない。」ことです。 私の仕事していた地区では「障害者 のケース一つ」引き受けたら「高齢者のケースを一つおたく にまわす。」という密約でもしないと事業所が手放したいと 言ってました。

介護保険法が当初できた時には「複合」という介護の単位が ありました。現在では撤廃されましたが、自立支援法には「 日常生活支援」という名前で残っています。前述から察しの とおりに「複合」よりも単価は低くで最低介護時間が1時間 半からになります。(ちなみに自立支援法には家事援助とい う項目があります。)。

それから、今ですと介護保険でのケアをしてるとき、例えば 食事の準備のケアの時に、利用者が容態悪く頼まれて、やむ なくトイレへ誘導し脱衣を行ったとします。利用者の排泄が 終わり、着衣を行い元の位置まで誘導したら1時間かかって しまいました。勿論その記録があり、事業所も当日連絡をう けています。

この場合、サービス提供責任者は、ケアマネージャーに報告 してケアプランの変更を行い(お願いして)その1時間分を 身体介護に変えて、ケアにあたったヘルパーさんのお給金に もそれが反映されます。ところが、自立支援法の日常生活で いくら身体介護の比率が通常より高くても「運がなかったね 」で終わりになります。

では、反対に自立支援法でのケアで移動介助というのがあり ますが、当日台風がきてしまいました。ヘルパーさんは利用 者は外出が好きなのを知っているので、やっとの思いで家に 着きましたが目を離すと走り回る知的障害の方と外出なんて 無理な天候です。この場合、良心的な事業所なら寸志はでる でしょうが、大抵は「運がなかったね。」と言われるか「ど うして出向く前にこっちに連絡をくれなかったの?」と注意 をうけ頑張ったのはすべて無駄になります。

この後、その知的障害者の親から「本人が■日に出かけたい からヘルパーさんをお願いします。」といわれると渋々引き 受けなければいけなくなります。理由は自立支援法に基づい て指定されたケアの時間を使い切らなかった場合は、翌年か ら時間数を減らされる可能性があるからです。

前回、障害者福祉は「告発の福祉」と書きました。上記の場 合翌年に移動介助の時間が減らされたらその知的障害者のい る家から、役所や政治家に「何で減らすの?」と告発されて、 事業所の人間は役所なりしかる場所に呼び出されてお灸をす えられます。自立支援法に基づくケアをしたくない理由はこ こにもあります。

金額単価は安いは、本人たちの納得がいかないと呼び出され るわと事業所にとってはいいことはありません。今回は金銭 にうるさいですが、事務員さんや緊急時にヘルパーさんを待 機させるとなると人件費は馬鹿になりません。障害者福祉に 関心のある人なら抜け道を知ってますが、それは次の機会に でも書きます。 何にせよ介護保険を基準に始めた福祉事業 所にとっては自立支援法は頭の痛い存在です。

これで、今回の題目は終わります。次回は障害者福祉の歴史 をさかのぼっていこうと思います。そのとき「抜け道」の話 がでてくると思います。 。

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