「知的障害者福祉 実際のケア編」
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前回、頻度高いのから用語を幾つかあげました。しかし現場ではその倍の知識 は必要とされます。でもそれは機会がきたときに調べれば済むことです。他に ついてもいえることですが、調べてみてより深く学びたければすればよし、現 実的にその内容で事足りると思えばそれもよしです。字面だけ見て敬遠っての は、気持ちはわかりますがそれで損することが一番多いです。ですので用語に あたったら概要だけ見るクセがあるといいですよ。

実際、知的障がい者のケアというところにはいります。先ず働く側で注意する ことは「事前にある約束事は把握しておく」ことです。パニックが起きた時に どうするか、施設ですと誰の担当、役割は何か。こと五体満足の方で逃げる癖 のある方がいるときはどこを塞ぐか、誰が追いかけるか。前回連鎖反応がおき ると書きましたがそのスピードは驚く程です。ケアに入る前にその辺は確認し ておいて下さい。また、実習でそういう場面にあたったら指示に従って下さい 。在宅だと、かわりに留守番を頼まれる場合もあります。

次に、人格を尊重して下さい。知的障害とはいえ、喜怒哀楽、個性、好き嫌い は一人一人独自にあります。ケアのタイミングがずれたからって時間を取り戻 そうとムキになって自分主体でやってしまうのは、彼らには当然ストレスであ り、後で事が起きる原因にもなります。とはいえ相手のご機嫌伺いでは仕事に なりませんよね。個性があると書きましたが、黙ってくれる、静かにしてくれ る、こっちに興味が移るキッカケってのが誰にでもあります。それを利用して 下さい。働いている方は、動機づけやキッカケを利用して彼らと接しています 。ですので他の職員、パートさんからはその辺から訊いて、実践することが職 場での信用につながります。やむをえず常同行為を阻害してしまったのは一人 とは限りません。働く人がそれぞれの失敗談や知恵を持ち合わせてルールはつ くられてます。ベテランが誰にでも対応できるかっと言い切れないのがこの分 野です。新人さんのちょっとした工夫が以外にもその方に合致して決まった時 間にご飯を食べるようになるなんてことは多分にあります。

他の福祉でもいえますが、知的障害者である以前に「彼らの性」について理解 しましょう。男性だったら女性に関心があり女性だったら男性に関心がありま す。遠慮なく「ねーねー」と気軽に寄ってくることだってあります。それを追 い払うだけではきちんとした関係は築けません。受け容れていいこと、断るべ きことはあって、それぞれに基準があります。それは出来れば該当する方のケ アあたる人共通の方法で行うことがベストです。しかし、作業所一つ例にした って、働く方の男女の比率、年齢なんてとてもじゃないけど彼らにあわせる事 は無理です。でもすり合わせようとお互いが協力していかないとダメなことで す。声かけ一つで好転することもあります。実習生の個別に対応してることが かえってとある知的障害の方にはよくて、以降その方法を一部とりいれてみる 職員もいます。そういう意味ではケアにあたる人は役職がついていても現場で はみな同じなのがこの分野の特徴です。朝の朝礼、最後の反省会、不定期な勉 強会と職員同士が話しこむことが高齢者福祉より多いです。それだけ意義があ ることですし、新入りでも実習生でも参加には積極的であって下さい。その場 でないと話せない事はよーく話題になります。

実習、就職にあたって細かな血液検査を要請されることがあります。それは、 施設において梅毒、肝炎のキャリアと接する可能性があるということです。私 は不覚にも実習先で喧嘩を止めに入ったり入浴介助でB型肝炎をもらってしま いました。その年はえらく体がだるかったのですが学校は休めないしで無理無 理生活してたら自然治癒。その肝炎の件がわかったのは卒業して五年先のこと でした。私の場合は出血ものの喧嘩に割って入ったので血液感染だと思います 。または当時の職員さんに「実習生さん、一汗流して帰って下さい」との言葉 に甘えて入浴したときに傷口から入ったのかもしれません。 私みたく後日談 ですめばいいですが、避けるのが原則です。抗体がなければある人の担当はで きません。また介護用手袋、エプロンが必要なのに自己流で押し通そうとする ヘルパーさんはそこへは決して派遣できません。今や製薬会社で働いててC型 肝炎にかかる人もいる御時世です。梅毒、肝炎についての事前情報はきちんと いれておいて下さい。自分に不手際があると、おりるべく労災も手続きができ ません。

最後に、知的障害者福祉の初回で話したときに、親族や周囲の人の力が強いこ とを書きましたがご本人だけでなくその辺にも目配り気配りしましょう。案外 本人からでなくそっちからの意見、クレームでてんやわんやする事業所は少な くありません。在宅で「おじゃまします」と入ってすぐケアの準備に入るのも いいですが、他に誰かいらしたらそっちにも挨拶することは忘れないで下さい 。たとえば自分の拳で頭を叩くなんて始まったときに手助けしてくれるかもし れないし、朝方調子が良くなかったらそのことをさらっといって下さったり。 施設だと家族と一緒に過ごした生活での様子を教えてくださることもあります 。逆に敵に回しては向こうのほうが方法を熟知してるので終始穏やかにケアす ることをすすめます。ケアするほうの人格よければうけがいいのがこの福祉の 分野での特徴です。

知的障害者福祉も現在進行形の部分が多いので追えばきりがないですが、関心 ある方はネットで検索。育児の記録をみると勉強になりますよ。次回はずっと 延びていた「初めてのケア」について書くか、介護業界大手8社中5社が赤字 になったことを書くかどちらかの予定です。でも旬なニュースが入ればいつも のごとく例外で採り上げるでしょう、私も記憶あるうちでないと。。。

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